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ドキュメンタリー映画「ダーウィンの悪夢」を試写で見てから1ヶ月が経った。
この1ヶ月は正直なところ暗澹たる気持ちにならざるを得なかった。 アフリカのヴィクトリア湖に放たれた食肉の外来魚ナイルパーチが、「ダーウィンの箱庭」と呼ばれるほど豊かな生態系を壊滅させる。しかしナイルパーチは、白身魚の高級魚としてもてはやされ一大魚産業が誕生。経済的に潤う人々が現れる一方で、壊れた生態系とリンクするかのように、飢餓による貧困、犯罪やエイズが蔓延。その上ナイルパーチを輸送する航空機は戦争のための武器の密輸にも一役を買っているという、監督自身、身の危険を冒してまでもカメラを回し続けた渾身のドキュメンタリーである。 ナイルパーチ、その魚の切り身を見た瞬間、「食べたことがある」とわかった。いわゆる「白スズキ」という名で流通していた魚である。スズキのカルパッチョとか、白身のフライとかでごく当たり前に食卓に乗る食材である。今は本来のスズキと誤解を招くという理由から、アフリカ産ナイルパーチという名で売られているが、今だ「白スズキ」という名でレストランに並ぶこともある。ヨーロッパに次ぐ輸出先が日本なのである。 この映画には説明的なナレーションは一切ない。住民から聞き出した話を淡々と重ね続けることで少しずつ全体像が見えてくるという構造だ。そのせいか科学的説明が足りないとか、事実説明が不足している、客観的でなく偏りがあるという批判もないわけではない。しかし科学的実証を求めるからこそ真実が見えなくなることもあるのではないだろうか。この映画から聞こえてきたのは、「無知が生み出す愚かな行為をあなたもしていませんか」という問いかけである。 そう易々と答えが出るわけではない。 でも取り返しがつかなくなる前に、今、地球上では何が起きているのか、その事実をしっかりと受け止める。そして私たちが伝えたい未来を心に描く。最初の小さな一歩はそこから始まるような気がする。(文:龍村ゆかり) ダーウィンの悪夢 公式サイト http://www.darwin-movie.jp/
by jtatsumura
| 2007-01-30 06:19
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